ベイビー

ハングマンズ・ノットのベイビーのレビュー・感想・評価

ハングマンズ・ノット(2017年製作の映画)
2.8
胸糞悪い!
Netflixで"サスペンス"とあったから観てみましたが、どこがサスペンス⁈ ただただ胸糞悪い暴力映画じゃねーか!

半グレ不良ヤンキー兄弟VSコミュ障サイコパス大学生の殺し合い。冒頭から両者の頭いかれてる加減がグロい、キモい、胸糞悪い!

特に京アニの事件があったばかりなので、理解できない自分勝手な誇大妄想狂には心からムカつきます。(この作品の舞台も京都なので、観ている間ずっとあの事件のことが頭から離れませんでした。)

普段生活していて、怖い目に合うことなんて滅多にありません。道を歩いているだけで急にバットで殴られたり、拉致られたり、知らない男が自分の部屋の中に居たり…

そんな恐怖に遭遇した時点で人生をメチャクチャにされたような気がしますが、日常の平和が脅かされる確率も0ではありません。

今作は、そんな平和な日常を脅かすイカれた連中が次から次へと登場します。思考の仕方がよく理解できない、胸糞悪い連中ばかりが出てくるのです。

女子高生を拉致してからオヤジに暴力を振るうまでの一連。あれワンカメワンカットの長回しします? あれじゃあ全くのドキュメントですよ、気分悪…

あの長回しの中、あのヤンキーたちのアドリブ演技半端ないからだんだんリアルに見えるし… 本当にリアル…アレ? リアルにムカつくし… アレ? ん?いや待てよ…

この監督さんの力量ヤバくない?
この無名な役者さんたちのポテンシャルヤバくない?

作品がリアルに見えるってことは、作り手の思惑通りだってことだし…

アレ?いい。この監督なんかいいな。
この役者さんたち、凄くいい。

正直、この作品を観ていて、ずっと嫌いで眉間にシワを寄せていましたが、観ているうちにこの監督や役者さんたちのことドンドン好きになっていく自分がいます。

この名も知らない監督や役者さんたちの演技を見てると「カメラを止めるな!」に匹敵する、情熱や力強さを感じるのです。

この監督の作品を調べてみると、どうやら暴力的でグロいものばかり、役者さんたちもほとんどこの監督の作品にしか出ていないご様子…

あー、この監督の暴力のない、グロくない作品を観てみたい。もっと日常に溶け込んだ、普通の登場人物をこの役者さんたちの演技で観てみたい。

でも、そんなことをしたら、彼らの持ち味なくなっちゃうかな?

作品の内容よりもそんなことを考えさせてくれる、なんとも不思議な作品でした。
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