KentaC

レプリカズのKentaCのレビュー・感想・評価

レプリカズ(2018年製作の映画)
3.3
人の意識をデータ化し移植する研究を続ける中、突然の事故で家族4人を失った科学者ウィリアムが、クローンを生成し家族として蘇らせようとする物語。

最愛の家族の死を「なかったこと」にするため、倫理を踏み越え禁忌を侵すウィリアムの姿がじっくり描かれていき、
なんとも言えない不穏さと気持ちの悪さに観ている側も巻き込まれるような作品でした。
4人のうち3人しか蘇らすことができないことの葛藤と苦悩の描写や、家族と関係がある人たちへの偽装工作など、どうあがいてもバッドエンドにしか進んでいかないような空気感作りがなかなか巧い作品だなと感じました。

しかし残念なことに、中盤までのその感じが後半一気にシフトチェンジ…SFから凡庸なアクションサスペンスになり、その落差になかなかガッカリさせられてしまいました。
クローン人間への記憶移植=死者蘇生という発想と、家族の死を受け入れられない男の絶望と希望、そうした題材を扱ったSFとして、途中まではとても良かったです。
KentaC

KentaC