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ローマンという名の男 信念の行方のmocmoのネタバレレビュー・内容・結末

3.7

このレビューはネタバレを含みます

 金と愛とどちらが大事かという問題に対して「愛があればお金はいらない」という人がいるけれど、お金がなくてひもじい思いをしていると何かを愛する余裕も失われていくものだと常々感じている。
 ローマンは、裕福でなくとも相棒が生きていてある程度仕事が安定していた頃は信念が揺らぐこともなかった。職を失いかけいよいよ生きていけなくなるかに思われたその時、彼の心にも魔が差してしまった。魔が差してからの週明けに何もかも良い方向に転がり始めるのがまたタイミングの悪さを感じてつらい。あと少し我慢できていれば良かったのにと。
 ローマンが自主することも叶わず殺されてしまうのも悲しい。だが、カーターが人殺しで本物のクズであっても、ローマンの不正がなければカーターが捕まり死刑を求刑されることはなかった。その不正の代償を払うようにローマンも死ななければならなかった。正義の天秤は皮肉なほどに平等だ。
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