りっく

クソ野郎と美しき世界のりっくのレビュー・感想・評価

クソ野郎と美しき世界(2018年製作の映画)
3.0
全4話のオムニバスから成る本作は、起承転くらいまでそれぞれのエピソードで描きつつ、最後の4話目でそれぞれの「結」を描きつつ、ミュージカル調になり大団円を迎えるという構成。それぞれのエピソードは既視感たっぷりの世界観かつ、物語的にも面白味はないが、エンターテイメントをやろうという志と、3人で再出発を切ろうという気概は十二分に伝わる。

全力疾走と巨乳と愛の暴走をハイテンションに描く園子温。尾崎紀世彦のまた逢う日までに乗せて描かれる歌喰いとうんこという奇抜な世界を成り立たせる山内ケンジ。オスプレイは核爆弾だと政治的なものを匂わせつつも沖縄を舞台にハードボイルド的な世界を描こうとした太田光。山内ケンジのエピソードのみ面白いと感じたものの、それぞれの作家性は出せているのではなかろうか。
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