柊

ドリス・ヴァン・ノッテン ファブリックと花を愛する男の柊のレビュー・感想・評価

3.8
当時アントワープの6人衆と言われた新進気鋭の集団の1人。ドリス・ヴァン・ノッテン。とても手の込んだ美しい洋服を作る人として認証していた。手にとって眺めるだけでまだ購入したことはない。そんな美しい物を作る1人の男性はとても地味な洋服を着て、真摯に服に向き合う男性だった。半年事に発表されるコレクション。しかしながら彼は半年で飽きられるような服は作らない。着る人によって自由にそして長く愛される服をと願い愛情を持って制作している。今時のファストファッションとは真逆の信念で、ファッションと言う言葉にも疑問を持ちながら自分の仕事と向き合っている。プロダクトにはない美しい手仕事の価値に値するインド人職人の働き場の確保にも見られるように、個人の名声よりもチームとしての仕事の仕方に共感する。
自宅の広大な庭を花で満たし、愛するパートナーとの地に足のついた確かな暮らし。これからも長く続いて欲しいメゾンの1つだ。
たかが洋服、されど洋服。着る事で幸せにもなるし着る事で人は何かを得る事もある。作る人、素材を提供する人、売る人、買う人それぞれが幸せになるような業界であれと願う。皆川明氏もきっとそんな風に感じて仕事してるのかな?ってふと思った。
柊