たき

ピンカートンに会いに行くのたきのレビュー・感想・評価

ピンカートンに会いに行く(2017年製作の映画)
3.5
岡本夏美目当てに観たんだっけか。

アバンタイトルだけで、これはイイモノだ。という予感がしました。当たりました。

ヒリヒリしたなあ。

ひとは、夢をみなくては生きてはいけないけど、夢みたままでも生きてはいけないのですね。
叶うにしろ破れるにしろ、夢は終わらせないと、現実にかえってくることができないわけですな。

夢みたままの夢ってやつは、ことのほかやっかいで。
遠ざかれば遠ざかるほどきらきら輝きを増すもんだから、余計にいつまでもしがみついてる自分が見すぼらしく惨めにうつっちゃうもんなんですな。

だからもうみなくてもすむように理論武装したり、誰かのせいにして衝突しちゃったりなんかする。
そのあたりのもう自分だけではなんとも制御しきれないやるせなさがこれでもかってほど伝わってきて、ヒリヒリしてしまうのですな。

ラストシーンがまたイイ。
きらきら遠くで輝いたまま止まってた時間がようやっと動き出すんじゃないかと予感させる、これ以上ない着地点。お見事でした。
たき

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