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カメラを止めるな!のhitomaのレビュー・感想・評価

カメラを止めるな!(2017年製作の映画)
3.4
制作費300万、公開わずか2館からスタートし、最終的に公開350館、210万人動員、興行収入31.2億円を記録したヒット作。劇中劇を上手く利用して伏線を張り巡らせ、それをコミカルに回収していく脚本は確かに上手く出来ているなと思う。一方で、ここまで話題をさらうほどの新規性や意外性があるとは思えなかった。劇中劇の時点で既にコメディタッチだったのが良くなかった。どうせ嘘なんだろうという思いが拭えなかった。タネがどのあたりにあるのかわかってしまう、出来の悪いマジックを見せられているような感覚だった。これなら劇中劇と思わせつつも、劇中劇を疑うほどにとことんリアルかつ猟奇的に見えるようにした方が、意外性も後の笑いも増したんじゃないかと思う。

ホラー映画の劇中劇と言うと、ジャンルもテーマも媒体も違うけれど、米沢穂信の〈古典部〉シリーズ「愚者のエンドロール」を思い出してしまう。そして個人的にはこちらの方が意外性もあり、よく出来ていると思う。
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