おなべ

ブレッドウィナー/生きのびるためにのおなべのレビュー・感想・評価

3.7
◉「花は雷ではなく 雨で育つ」
 「愛は怒りではなく 言葉で育つ」

◉ 2001年アメリカ同時多発テロ事件後のアフガニスタンの荒廃した町 カブール。タリバンの支配下で女性だけでの外出は禁止されていた。11歳のパヴァーナは家族とささやかに暮らしていたが、ある日突然、父親が無実の罪で投獄される事に。

◉ベストセラー児童文学「生きのびるために」をアニメーション映画化。児童に限らず大人も観る価値がある作品。本作のような歴史や現代社会の問題を反映した映画を、是非とも学校教育の一環として取り入れるべきだと思う。

◉ 平和とは、自由とは、平等とは…その答えがこの作品の至る所に詰まっている。

◉平和を享受した日本国で命を狙われる恐怖を感じる事なく生活している日本人がいるのと同時に、時同じくして、アフガニスタンやその他紛争地域では少年兵がTVゲームをする事も無く、その代わりに銃を持って人を撃ち殺したり、11歳の少女が学校へも行けず自分の髪を切って男の子になりすまし家族を養っているという事実。凄まじい程に環境が違い過ぎて中々想像出来ないかもしれないけど、何も出来ないからと目を背けるのではなく、世界のどこかでこのような凄惨な状況が今も尚続いている事を知る事に意味があると思う。監督もそれを望みこの作品を作ったと思うし、そういう意味では大いに意義がある作品。
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