フライ

ゲティ家の身代金のフライのレビュー・感想・評価

ゲティ家の身代金(2017年製作の映画)
4.1
金と人間の醜い関係をこれでもかと言う位観れたのはとても面白かった。
誘拐犯役のロマン・デュリスやゲティの警護アドバイザー役のマーク・ウォールバーグ、誘拐された子供を色々な障害と葛藤しながら苦悩するミシェル・ウィリアムズの強い母親としての演技はとても素晴らしかったが、なんと言っても金の猛者ジャン・ポール・ゲティを演じたクリストファー・プラマーの得にも言われぬ冷酷さと寂しさを感じさせる演技と雰囲気は最高だった。
1973年ジャン・ポール・ゲティと言う世界一の金持ちだった男の孫が誘拐され1,700万ドルを要求される実話を元に製作された作品だが、ストーリー展開と内容の素晴らしさでとても楽しめた。誘拐犯との緊張感のあるやり取りや子供を取り戻す為色々な困難と立ち向かう母親の葛藤は勿論面白かった。がそれ以上にゲティと言う金の猛者としての生き方や考え方は、想像以上にえげつなく、ある意味清々しさと合理性を感じ気持ちよかったし、そんな男が如何にして身代金を出すのか、猛者感と悲愴感がプラマーの雰囲気と重なりとても楽しめた。
終盤緊張感を持った展開にしたかったのは分かるが、ラストの逃走劇はやりすぎ感を感じてしまい若干嫌になるものが。
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