容姿だけじゃなく、自分の中身から高めようとするのは本当に素敵なこと。
もちろん持って生まれた容姿で何かを表現することも素晴らしいけど、それ以上に向上心とか気遣いとか、ユーモアとか知識を身につけようとすることも素敵。
あ、毎日ヒールを履いて仕事に行くこともそう!
そうやって自分の内側を満たすことに力を向けている女性は本当にかっこいい。素敵。最高。私もそうありたい。
だからこそ、友達を非難しだしたり人を見た目で判断するようになるシーンが入っているところがあんまり好きではない。
「見た目や世間体にとらわれて見落としてしまったもの」
「失って初めてわかる大切なもの」
という過程があるがゆえの大切な場面だとは思うし、人はそうやって失敗を経験して自分を省みることで大切なものに気付くのだけれど、
本人が美しくなっていく(そう思い込んでいく)と同時に、優しさや思いやりというところから乖離していくのがなんとも悲しくて…。
それなら最初からレネーが大切なものに気付く過程より、彼や友人、上司たちの思いやりや気遣い、元から人を見た目で判断なんてすることなんてなかった素晴らしい人間性にスポットが当たった方がいい。
正直、レネーの良さを最初から知っていた/見抜いた友人たちや、ミシェル・ウィリアムズが演じたルクレアが真のヒロインな気がする。
この作品は観ると元気が出る映画としてよく知られているけど、自分に向ける視点を考える映画ではなくて、本当は自分を支えてくれる人たちへ向けた感謝や敬意について考える映画なんじゃないかな。