わたふぁ

プーと大人になった僕のわたふぁのレビュー・感想・評価

プーと大人になった僕(2018年製作の映画)
3.7
100エーカーの森にお別れして寄宿学校に入学したクリストファー・ロビン。間もなくして父が死に母と2人家族になった。そして世は戦争時代に突入。一目惚れして結婚したかわいい妻とお腹の子供を残して最前線へ。無事に帰り、今度は妻と娘を食べさせていくために旅行カバン会社に就職。ひとりの息子として夫として父として中間管理職として、大人になったクリストファー・ロビンは“ちゃんとする”しかありませんでした。そこにかつての大親友“くまのプー”が突然現れて...。

え、森の愉快な仲間たちと独りで遊んでいた少年が、大人になって厳しい現実と向き合い、戦ううちに“心”を失って、限界を迎えたときにイマジナリーフレンドに再会した話、なの?!...とちょっとびっくりした。
プーさんやティガーやピグレットやイーヨーの事を“イマジナリーフレンド”なのではないかと考えたことがなかったから、少し切なく、怖くも感じた。

だけど仮にもし彼らがイマジナリーフレンドだったとしても、クリストファーだけでなく彼の娘さんや、奥さん、ロンドンの街行く人、会社の重役たちまでが愉快な彼らと出会ったのなら、それはもう“孤独だった少年だけの友達”ではない。
半世紀を超えて今なお世界中で愛され続ける、みんなの友達だ。

ハードルの高い“名作アニメの実写化”だけど、フルCGでは出せない、ふわふわとあたたかなパペットの質感が手に取るように伝わってきた。

“何もしない”が大得意のプーの、おおらかなところ、優しいところ、無欲なところ、ハチミツがあればそれで良くて、赤い風船があったら特別にハッピーになれるシンプルな考え方に触れて、あったか〜くなれる作品でした。♡