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ミッシングのkyokoのレビュー・感想・評価

ミッシング(1982年製作の映画)
3.8
1973年9月11日チリの首都で軍事クーデターが勃発。左翼とみなされた人々が次々と逮捕されていく中、アメリカ人青年チャールズ・ホーマンが失踪した。

チャールズの行方を追う妻と父。いわゆる嫁と舅だけど、ゴリゴリの保守派の父は極楽トンボのようにも見える息子の生き方を認めておらず、息子の妻とは事あるごとに衝突してしまう。

アメリカ領事や大佐ののらりくらり感といい、この事件の真相が抱える闇は、正義づらしてよその国を散々引っ掻き回して最後はシレッと放置するアメリカの悪い方のイメージのまんまだった。思わず「ハア〜ッ⁈」って声が出るほどに。

でもそれよりも徐々に息子の生き方や息子夫婦の絆の深さを理解していく父の心情の変化の方が印象深い。
ジャック・レモンの円熟味が光る作品だった。
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