アズマロルヴァケル

ハンティング・ナンバー1のアズマロルヴァケルのレビュー・感想・評価

ハンティング・ナンバー1(2017年製作の映画)
3.4
普通に観れる人間狩り映画

アルコール中毒のウォーレンはメキシコ人から電話で死んだメキシコ人の元恋人に子供がいたことを知り、メキシコに行って会いに行こうと考える。ウォーレンは家に麻薬に近い物質を見つけ、麻薬取引をすると、相手に麻薬ではないことを見抜かれてしまい、ウォーレンは二人の麻薬ディーラーを殺すと、金銭と麻薬を盗んでメキシコへ向かった。ウォーレンは盗んだ金銭でベッドフォード・ラッツという町のモーテルに宿泊し、日々を過ごした。ある日の夜、ひょんなことから断酒会で知り合ったスティーブとスティーブの家で宿泊することになった。その際に就寝前に洗面所で盗んだ薬を服用したが、それが睡眠薬だと気づき、気がついたときにはディーラーの仲間と共に狩猟祭の獲物にされていた。今回の参加者はベテラン猟師のドン・リンカーン、性悪のワコウスキー三兄妹、そしてあのスティーブ夫妻だった。ウォーレンら参加者5人はある程度逃げるのだったが…


やや面白い映画で、まあ見てて駄作だった「ハンティング・パーク」よりはある程度緊迫感はあり、見応えはちょっとはあった映画ではありました。

ストーリー性はちょっと少なく、ある意味娯楽味のある映画で、各人物のサイコっぷりというのが全快になっている。例えば、獲物になった仲間を殺してまで生き延びようとするボブとか、ウォーレン以上にアルコールの中毒者だったスティーブとかは人間的に可笑しいとしか言えない人物ではありました。あと狩猟祭をやってるからか頭が完全にぶっ飛んでいる保安官の息子も味があっていいキャラでした。

ウォーレンはヘリを盗んで兵役をクビしちゃった元軍人なのにも関わらず、ナイフを使ってショットガンの弾を押してドンを射殺したりワコウスキー三兄妹は殺虫剤のガスで撹乱させて倒したりとまあカッコいいものでした。

しかし、オチや内容は充分いいだけあって、中盤でスローテンポで中だるみ状態になったりしているので、ちょっと演出が惜しい感じではありました。勿論、スティーブの敵か味方か分からない不安定なサイコっぷりでこの映画に助けられている状態もあり、その点に関しては救いはありましたが、ラストでアメリカ映画ならではと皮肉なオチにはお見事と思いましたが、責めて文句を言わせてもらうとラストでウォーレンが死ぬか死なないかどっちかしてほしかったなぁとモヤッとしました。

でもラストでウォーレンがアハハハハと笑っていたので、見てるこっちもアハハハハと笑いたくなるホッコリとした映画でした。