TaKeiteaZy

リトル・モンスターズのTaKeiteaZyのレビュー・感想・評価

リトル・モンスターズ(2019年製作の映画)
5.0
冴えないバンドマンデヴィットは、彼女にフラれ姉の家に転がり込む。甥っ子の世話のため幼稚園に行くとそこの先生キャロラインが素敵!引率として子供達と遠足で動物園に向かうも、隣の米軍施設からまさかのゾンビ漏れ!子供達を怖がらせないように、何とか生きて返さないと!な話。

拍手!いや〜ゾンビ映画って本当に「良い」な!おっさん後半ずっと泣きながら見てしまったよ。まず、動物園の隣に米軍施設てなんだよ!もうバカ!なんだけど、素晴らしい作品でした。

いや、ゾンビ映画のテンプレもテンプレだし、設定も感染の広がり方も雑なんだけど、それがこの映画の本懐じゃねえし、逆にテンポ良く怠さ0の仕上がり。そこに「アス」でお母さんやってた黒人女優ルピタ・ニョンゴさん、この人が本当抜群に美しいのよ。この安い(失礼)シチュエーションで宝石のように輝く。

キャロライン先生は絶対に子供達に不安を与えないし、子供達を守るためだけの行動を、それに触発されデヴィットは今までの自分を形成してきた「ダメ」の殻を打ち壊していく。子供達はただ無垢なままなんだけど、イジメられがちだった甥っ子フェリックスが見せる最高の大逆転。そこには自らの使命を命を掛けてでも守り通す聖人の姿と、絶望的な状況でやっと輝き出す人間の成長が描かれていた。ゾンビというモチーフは基本的に死と絶望なんだけど、だからこそ生と希望が鮮やかに輝くという。基本ゾンビなんで血塗れだけどね!あんま大々的にコマーシャルされてないけど、それはもったいないよ!

ごめんなさい、少しネタバレになってしまうんですが、最後の軍人の「子供は撃たない。二度とな。」というセリフと、最後に園児が全員いるかを数えるキャロライン先生で満点を決めました。こんな映画が作れたら全員でハイタッチだろうな。
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