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走れ! T校バスケット部のRAYのレビュー・感想・評価

走れ! T校バスケット部(2018年製作の映画)
3.4
多分、これまでのレビューには書いたことが無いと思うのですが、僕は小学4年の頃からバスケットをしていました。
大学までは続けなかったのですが、小中高とチームは県内では1、2位の成績でした。
チームメイトにはBリーグ(当時はJBLやbjリーグ)で活躍した仲間もいます。

そんなこともあって、バスケを題材にしたこの作品には劇場公開当時から興味を持っていました。
結局、公開期間中には間に合わなかったのですが、早速、配信が行われていたので鑑賞しました。


主人公は、志尊淳さん演じる高校生。
小学生からバスケが大好きで、高校は県内の強豪校に進学しますが、あることがきっかけで転校することになります。その転校先がT高校です。

ストーリーはとてもシンプルですし、メッセージもストーレートなこの作品。
だけど、青春、中でもスポーツを描いた映画はそれで良いと思います。
実際、とても気持ちの良い作品でしたし、内容も素直に受け止めることが出来ました。
志尊淳くんも佐野勇斗くんも、それ以外のキャストの皆さんも、とても爽やかな演技をしていたし、青春のどこか青臭い部分も伝わってきました。

メッセージに関しては、バスケを通して描かれたことが重要だったのでしょうが、とても共感出来ました。

共感のひとつは、主人公が大切な仲間と出会うことです。
僕の場合、小学生の時にバスケを始めて、中学の途中、両親の仕事の都合で転校しなければならない状況になりました。
だけどこの時、両親に対して大変なわがままを言いました。
つまり、「転向はしたくない」と。
結局、僕は祖父母と3人で住み、両親と兄弟は引越して別々に暮らすことになりました。
「転向はしたくない」と言った理由は、小学以来の“仲間”の存在でした。
「彼等と一緒に強くなりたい。全国大会に出たい」そんな目標があったことも大きな理由でした。
だけど、それ以上に大きかったのは、その仲間と一緒に成長すると言うことが僕にとっては大切なことであり、大切な場所だと言うことでした。
主人公やその仲間たちにとって、お互いがとても大切な存在だっただろうと思います。


共感のもうひとつは、両親の存在です。
子供の意思を尊重したり、受け入れてくれる両親。
大切なことを指摘してくれる両親。
そんな両親がこの作品には登場します。
そのことを僕の大変なわがままを受け入れてくれた両親と重ねてしまいました。


いつか、子どもにこんなことを話したり伝えたり出来る機会があると良いなぁと思ったり、もしも僕が両親の立場になったら、同じ様に、子どもの気持ちを大切にしてあげられる自分でいたいなぁと思うのでした。
あとは、いつまでも仲間を大切にしようとも。


映画としては、やっていた部活だとか価値観で評価は分かれると思いますし、決して特別なことが描かれた作品ではありません。
なので、評価自体は高くしていません。
だけど、素直に観れば良い映画だと思います。


観て良かった。
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