やまひろ

千と千尋の神隠しのやまひろのレビュー・感想・評価

千と千尋の神隠し(2001年製作の映画)
3.5
「私が欲しい物はあなたには絶対出せない」

2001年、大ヒットを記録した宮崎駿監督による冒険ファンタジー

公開当初はこの作品あまり好きではなかったのです。この作品の前が「もののけ姫」だっただけに、あまりにも対照的な作風や世界観にちょっと抵抗感があったのです。

しかし、この作品は何度も観れば観るほど、味が増していく映画だと10回目ぐらいで気付いたのです。(遅いね)

一見子ども向けのような世界観やキャラクターだが、実はそうではなくこれは「大人の映画」
・性風俗の舞台(千は源氏名で湯女)
・カオナシは現代の若者
・電車の乗客は自殺者(火垂るの墓の節子も登場?)
などなど、深ーい裏設定がたくさんある作品なんですね。

こういう事を知ってしまうと、作品の見方が変わり、非常に楽しめるようになりました。

最後、ハクの寂しげな後ろ姿が映りますが「すべてのことはルールに従わなければならない」という世界観の通り湯婆婆に八つ裂きにされる運命なんだそうです。

そして、そんなことは知る由もない千は、銭婆の言葉によると
「一度あったことは忘れないものさ…想い出せないだけで」
【思い出すことが出来ない】状態になってしまうんですね。

いやー深い、そして悲しい。
あと、トンネルを出て元の世界に戻った家族3人、車の埃や草木の成長からして、何十年も月日が経過した世界に戻ってきているだということ・・・

そこで終わるこの映画・・・これはバッドエンドのファンタジー映画なんだと、最近はそう思いようになりました。

ま、無邪気な子どもが見たらハッピーエンドの楽しい映画なんだろうけどね。。。

あと何十回か観たら、新しい発見があるかもしれないので、ジブリ映画でも好きな映画です。
やまひろ

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