二式

スパイダーマン:スパイダーバースの二式のレビュー・感想・評価

5.0
文句なしの大傑作。全てにおいてアニメーションでしか描けないスパイダーマン。実写ではとても描けないドラッギーなカラフルさ。アメコミ的な吹き出しやコマ割りを生かした演出。それぞれのスパイダーマンのタッチを変えて別次元から来たことを見せる演出。上も下も縦も横も関係ない、縦横無尽に動き回るスパイダーマンたちのアクションの数々。アニメーション映像でしか表現できないものばかりで、これだけでも凄すぎて感動する。

そして、脚本が素晴らしい。スパイダーマンで多重世界という設定は実写ではかなりきついが、アニメーションにする事でスムーズに入り込めるし、しっかりこの設定を活かした展開と感動が溢れている。新スパイダーマンのマイルズのヒーロー誕生もの。そして、ピーターパーカーの再起もの。この両方がお互いに呼応しながら展開していく。この構成が本当によく出来ている。

ヒーロー映画としても最高。要所にコミカルなシーンをたくさん入れながら、ちゃんとヒーロー映画らしい熱く感動的なメッセージを伝えている。「何度倒されても立ち上がる。だから、スパイダーマンはヒーローなんだ。そして、だれもがヒーローになれる。」ストレートなメッセージを二人のスパイダーマンが体現していく。終盤は感動しっぱなしで涙が止まらない。

サム・ライミ版やアメージングなスパイダーマンのオマージュもすごく良いし、音楽もカッコいい。キングピンがラスボスなのも良かった。ニューヨークを守るものヒーローとしては、やっぱり一番の悪党はキングピンでしょ。オールタイムベストに入るぐらい好き。
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