やんげき

スパイダーマン:スパイダーバースのやんげきのレビュー・感想・評価

4.6
間違いなく2019年現在に至るまでの最高峰アニメの一つ。

スピード感とダイナミックさを兼ね備えた視覚効果。
カラフルで幻想的なんだけれど、有機的でもある色彩効果。

上下左右どころか、2D、3D、コミックとアニメーションの垣根をシームレスにマッシュアップして組み立てられた世界感。

重量感やコミカルさを感じさせる音響。

NYブルックリンの土地感、マイルスの心情に合わせて躍動し高揚するクールなHIPHOPとR&B挿入歌。

ここまでですでに視覚効果賞、美術賞、音楽賞までアニメーションじゃ総ナメしてる素晴らしさなんだけどキャラとストーリーもいいからすごい!

「マイルスという少年がスパイダーマンになるまでのお話」

というプロットに沿った形では最高の脚本ではなかろうか。
従来のスパイダーマンにつきものの宿命感、悲壮感から解き放たれ「一人じゃない」と全方向から語りかけてくれる演出は現代的で、素晴らしい。

「待つんじゃない。信じて翔ぶだけだ」

という台詞が何重にも伏線を張っていて、とうとうマイルスが翔び出すときの高揚感、アドレナリンは半端じゃない。

ドラマ、細かい小ネタ、コスチューム、挿入歌、視覚演出全てがバッチリとこの瞬間に向かっている!!

控えめにいってほとんどの観客はこのシーンで「なにこの最高の映画!」と胸が高鳴っていたとおもう
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