mrかっちゃん

劇場版ポケットモンスター みんなの物語のmrかっちゃんのレビュー・感想・評価

4.3
本当に久しぶりにポケットモンスターの劇場版を観に行きました。
前作「きみにきめた!」で一旦の仕切り直しがされその路線になっています。
ポケットモンスター的にも制作スタジオや、スタッフが総入れ替えされており、
全く新しいものとして作られていました。
作画も以前のようなアニメ然としたものではなく、柔らかなタッチでキャラクター達が描かれていて映画全体に暖かみがありました。

ポケモンの映画はメインポケモンが主軸となったストーリーが今までのお約束で、
あくまで言わば販促の役割も果たしていたのだと思いますが、そういったしがらみからも脱却され5人のメインキャラクターとサトシが出会うことで動き出す人間ドラマが主軸になっていました。
その過程に自然な形でルギアと新ポケモンゼラオラが入ってくる。

ストーリーが本当に良く出来ていており、
一人一人ある問題を抱えていてそれを乗り越え成長していくのを群像劇として描いている。
人とポケモン言語的なコミュケーションは取れないけどたしかに築かれていく絆。
その何事にも耐え難い信頼の形が、力を与えてくれる。
何度も泣きそうになってました。

ポルノグラフィティの主題歌「ブレス」の歌詞がまさしくこの作品のメッセージを代弁しています。
「少年には遠回りする時間が与えられ
老人には近道をする知恵が授けられて
どちらかを笑うことなかれ羨むことなかれ
それぞれの道がある 誰も君の道は行けない」
自分は自分、他人と比べてどうかなんて嘆く事はない。
自分にしか見えないものや自分にしか分からないものがある。
それがどんなに誇らしいものか気づけた時
自分の道が見えてくると言っているように思えた。

とんでもない猛暑が続いていますが、
爽やかな風が心地よく吹き抜ける夏らしい作品でした。

来年の映画の特報には思わず声が出てしまうほどのサプライズ!!
初代の「ミュウツーの逆襲」を再度見返したいと思います。