困ったちゃん

欲望の困ったちゃんのレビュー・感想・評価

欲望(1966年製作の映画)
3.8
これは映画を観尽くしてこられた映画ツウ向きの作品とでも言いましょうか。どこをどう切り取ってもスタイリッシュ過ぎる映像。挑戦的な複雑曖昧ストーリー。大海に放り出されたようなラストの解釈。難解さよりも映像美が勝って不思議とまた観たくなる。

おしゃれなオープニングも束の間、状況整理不可能な場面の数々に面喰らう。工場から出て来た冴えないひとりの労働者が、突如新進気鋭のカメラマンに早変わり。そのキレキレな仕事ぶりは感覚を研ぎ澄ませ思いもよらない発見をしてしまう。ここは身震いするカッコよさ!

存在していたものが消えたり、見えていなかったものが見えるようになったり終始付きまとう曖昧さ。夢なのか陶酔なのか怪奇現象なのか…邦題通り単なる彼の欲望の再現ドラマなのか謎に次ぐ謎。
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