れんれん

未来のミライのれんれんのレビュー・感想・評価

未来のミライ(2018年製作の映画)
1.0
うーん、細田監督は、なんだかんだで、ほぼ全作お付き合いし、「バケモノの子」で初めて、すっごく面白いと思えて、ようやくハマるかと思いきや……。

この監督にとって、「家族とタイムリープ」っていうのがツボなのか知りませんが、「家族」というものの理解や描き方が薄っぺらいです。家族万能主義というか、家族性善説というか……。「バケモノ」がよかったのは、最初から血が繋がっていないからだったのかと、謎が解けた気分です。

二人目の子供からの父親の育児参加といい、長男の赤ちゃん返りといい、描き方がママ向けサイトから拾ってきたのかと思うようなテンプレで、こちらが赤面してしまいます。

何より、くんちゃん、なる主人公の男の子は、設定年齢、何歳なのでしょう? 変に幼稚に見せたり、かと思うと、難しい血の繋がりの概念をさらりと理解したり、まあ忙しいことです。

設定年齢のあやふやさは、おそらく声の出演にも原因があり、声優じゃなく俳優からというジブリ式も、どうなんでしょう、真似しなくていいのでは? そこにこだわる理由って、もはや監督個人の意識の問題でしかないのでは? と思わされます。はっきりいって、幼い子を持つ父親として、これだけ感情移入できない幼児と赤ん坊は、かつていなかったというくらい、キャラが「好きくない」結果となりました。

曾祖父の件で出てきますが、戦争の傷跡も下手に織り込まない方がいいですね。どうせ、うっすらなぞったくらいにしかならないので。

よかったのは、未来の東京駅はこんなにすごくなるんだというビジュアルと、そこにいる遺失物係でした。

ひとつ救われたのは、深夜割引で1300円で鑑賞できたことでした。
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