シノミー

未来のミライのシノミーのレビュー・感想・評価

未来のミライ(2018年製作の映画)
3.9
それはまだ出会ったことのないミライの話
基本的にくんちゃん目線で描かれる。
何気ない日常の中で、僕たちが歳をとるごとに失ってしまったものはなんだろう。
幼少期なんて気づいたら終わってて、あっという間に時間は過ぎていた。
だけど、そんなかけがえのない一瞬を、人生の1ページを、この映画は少し思い出させてくれた。
確かに感情移入しにくいところはある。
だけど、それは決してこの映画が悪いわけでもくんちゃんが悪いわけでもなくて、子どもの視点から遠く離れてしまった僕たちに原因があるのではないか。
評価の低い理由は今までの細田守監督作品とは違った要素が強いからだと思う。
妹が生まれて、お母さんが構ってくれない。
お母さんを奪った妹が好きくない。この色のズボンは履きたくない。遊びまわっていたい。おもちゃが欲しい。
子どもの頃はいつだって自由だった。
忘れていた。自転車の補助輪を外して右左と足を動かしては転けた日々を。
いつの間にか漕げるようになって、いろんな経験をした。
曾祖父ちゃんが曾祖母ちゃんと出会ってなかったら、戦争で生き延びてなかったら、この世界に存在しなかった。
そうやって色んな運命が絡まり合って、僕たちは生きていくんだって教えられた気がする。
色んな捉え方ができる映画。それこそ自由なんだ。
だからこの映画が好きだ。
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