叡福寺清子

フッテージ~惨劇までの13日間~の叡福寺清子のレビュー・感想・評価

3.0
ファウンド・フッテージ映画の撮影現場のファウンド・フッテージ.みんな大好きメタ構造.
撮影現場の生々しい声が聴ける(現実的かどうかは度外視)作品として評価したい.
・安く宣伝するには炎上商法か「史上初」の冠を付けるのが有効
・フッテージ映画は森の中を駆け回るだけ,照明とかいらないから安くつくぜ!
・悪霊に襲われた後も何故撮り続けるのか観客に納得させなきゃ
・意識は低いけど志だけは高い(プライドの塊)制作陣
等々.映画ファンとして観てて楽しい.
プロデュース兼脚本兼主演のデレクが「オレサマ」気質で現場が振り回されるのも「うわぁ,(゚Д゚)ウゼェェェ」って感じで同情を禁じ得ない.
ファウンド・フッテージやのに3Dっておかしいやろって監督のツッコミに対しても映画監督が私生活を撮影してるんだから3Dもアリやろと説明.まぁこれはまだいいとして,防犯カメラも3Dな!って当日になって言い出したり,ファウンド・フッテージ映画の大原則である全員死亡を「オレだけ生き残る事にしない?」って言い出したり.主演女優が離婚寸前の嫁で撮影中も喧嘩して現場の空気悪くしたかと思ったら,その夜納屋でおセックスしてちょっとだけ仲直りしたけど,やっぱすぐに喧嘩始める.他人事ながら最悪の撮影現場で他のスタッフがキレるの当然,そこに悪霊バァァァン!!
悪霊本格スタートがかなり終盤なので,それまでのグタグダ撮影シーンが楽しめないとつまらないと感じるだろう.なお最後の2分割画面はかなり好き.
終盤といえばエンドロールで沢山の人に謝辞が送られていたがクラウド・ファンディングで資金調達したのか.本作は.
ちなみに悪霊に襲われた後も撮り続ける理由は「カメラ通さないと悪霊を視認できないから」だ.一応納得できるな.