むさじー

赤い天使のむさじーのネタバレレビュー・内容・結末

赤い天使(1966年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

<戦場における性、極限下の愛をリアルに描く>

戦場という極限状況、その悲惨さと性と生の現実、目を背けたくなるようなリアリズムに徹した映像は、現代では作り得ない(少なくとも商業映画では)凄さを持っている。
ヒロインは従軍看護婦という立場ではあるが、ここまで自己犠牲と博愛の志で献身的に生きていけるものなのか、その確固とした自我に感服する。
愛し合った軍医との最後の夜、彼の軍服を着て敬礼するシーンは印象に残るとともに涙を誘う。
戦場のシーン、手術のシーンが圧倒的で、強烈な反戦映画には違いないのだが、女性目線で描かれた戦争は、一層兵士の悲惨さを露呈させ、人間という動物の愚かさを見せつける。
本作は『清作の妻』と並ぶ、反戦+恋愛映画の傑作である。
むさじー

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