くだらない口論の一部始終を見届けてニヤニヤが止まらない。
大まかな流れの確認以外ほぼアドリブということで、臨場感が(ある意味)格別。映像の荒さや会話のテンポから、まるで観客が同じ空間に居合わせているかのような感覚になる。会話の被せ方やテンションの上がり下がりが人間臭くて生々しい。
ストーリーは一つの疑惑についての口論が時間の経過と共に収拾がつかなくなるという単純なものである。個々人の文脈のズレや大元の問題の肥大化など、社会全体の諸問題に通じる要素も含まれていて見事。解決にこだわらなかった点も絶妙。
この映画のもう1つの目玉は独特なダンスパートであるが、個人的にはあまり響かなかった。内容とのズレもあったような気もする。