このレビューはネタバレを含みます
血が繋がっていなくても、家族として繋がっている
しかし万引きや盗みが嫌になった長男によってその繋がりは解体されしまう
みんながあるべき場所に戻る。それが幸せでなくても
「ちゃんとやろう」とするとできないこともあるけど、
「ちゃんとしないと」できないこともある
正式な手続きなんかを踏むと、ユリはあの家族とは暮らせなかったけど
あの家族と暮らしていると万引きをしなければならなかったり
学校には行けず、大人になったときにお金を稼ぐのが大変になるだろう
問題提起なのだろうか、
この作品は、どんな社会でもあり得る小さな歪みにスポットを当てているようにみえる。
セーフティネットを広げても、ある程度はしょうがない、と思ってしまうのは悲観的?
もっとできることがあるのだろうか
旦那に去られてしまった高齢の女性
犯罪歴(正当防衛で免除?)があって手に職があるわけではない中年?の男女
親に良い子のフリをするのに疲れた二十歳前後の女の子
小さい時にパチンコ屋で誘拐された男の子(誘拐された理由はわからない)
親に虐待されている少女
細かい制度(生活保護とか虐待防止とか)をどうする、とかではなくて、
社会全体が色んなことに寛容でお互いに関心を持てるようになる、
みたいな大きな、もっと底からの変化がいるんだろうな、と思う