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劇場版 仮面ライダービルド Be The Oneのとがぴのレビュー・感想・評価

4.0
仮面ライダーアギト以来に、第1話からリアルタイムで最後まで追いかけてる、仮面ライダービルド夏の劇場版。

近年の夏映画の中でも特に楽しみにして初日舞台挨拶のチケットを手に劇場へ向かった。

結果、不思議な感想が生まれた。「楽しかったなー」という感情と、「いやいやコレはアカンでしょ」という感情2つ。

というのも、話の大枠は絶望的な状況の中でも、愛と平和の為に戦い続ける戦兎の集大成と言った感じだったので、それだけで十分楽しめる要素だらけなのだ。

問題なのは演出の方で、特に2回目の時に強く感じたのだが、正直くどい。無駄に長い溜め(特に中盤の雨に打たれる戦兎のシーン。まぁ、アレは同時に戦兎の過去の記憶をフラッシュバックさせるというニクい演出でもあるのだが)とか、

スローモーションや無音の瞬間が妙に長かったり、かなり人を選ぶ要素は結構目立った。

正直ビルドという作品補正に助けられてる部分はかなりある。

しかしながら、個人的に良かったポイントも幾つか挙げておきたい。まず、この手の映画だとサブライダー組は置いてけぼりになる事が非常に多いのだが、今回は寧ろグリスやローグの方が活躍の味を占めてた可能性すら感じられる。

1シーンしか出番がなかったが、内海も美味しい所を久々に持って行ったと言えるだろう。

また、序盤の民衆から逃げ回るビルドが室内の階段をバイクで駆け上がるカットとかも凄く好きなので、あれをもう10秒ぐらいやってくれてたら、もっと高評価だったかもしれない。

今回の敵たる仮面ライダーブラッドは佇まいやテーマ曲は神々しくて非常に良かったと思うんだけど、それ以外の点がほぼ全く何度観ても記憶に残らない。これはちょっともっと観てみたかったなぁという思いがある。

例えどんなに否定されようとも、嫌われようとも、蔑まれようとも、愛と平和の為に戦う事が出来る、己の正義を真っ直ぐに信じる事が出来る人の事を"仮面ライダー"と定義づけるんだなぁと改めて感じた作品でした。
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