二式

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッドの二式のレビュー・感想・評価

4.5
1969年のハリウッドを舞台にした夢物語。ハリウッドに自宅を構えながら最近は日の目を浴びず、再び栄光を取り戻すことを夢見るリックと親友のクリス。ハリウッドに引っ越して、自分が出演した映画を見ながら大女優を夢見るシャロンテート。3人の日常の光景をあまり大きな起伏はなく語られる。地味ではあるけど笑いあり、小さな感動と喜びがあり、逆にマンソンファミリーの場面では緊迫感がありで見ている間、多幸感に満たされる。

そして、タランティーノ監督の60年代の古き良きハリウッドへの夢と妄想に満ち溢れている。自身が憧れていたその時代を再現しつつ、そこにもしこんな人がいたら、こんな出会いがあったら、あの時こうなっていたらなどの夢がたくさんある。いたるところに過去の映画やテレビドラマへのオマージュとリスペクトを入れながらタランティーノの夢を映画として形にしている。事実とは違っても面白ければ夢や妄想も映画の中で叶えることができる。映画の持つ力に改めて感動。

登場人物、セリフ、演出やカット割りなどいたるところに過去の映画ネタがあるので、ひとつひとつ拾っていくだけでも何時間でも楽しめる。リックダルトンが出演した作品も一部しか見れなかったので、どんな作品があるのか見たい。特にナチのやつとセルジオコルブッチのは見てみたい。架空の作品の一部を考えたり撮影したりは楽しかっただろうな。

160分と長い作品だけど、見て本当に幸せな気持ちになれる。最高のハッピーエンドで幸せすぎて泣けてくる。もっと、長い時間見たい。話したいこともいっぱい出てくる。自分ももしを妄想してしまう。最高の映画。
二式

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