トーリターニ

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3のトーリターニのレビュー・感想・評価

5.0
非常に高く設定してたハードルを軽く超えてきた。GotGトリロジーの最高傑作という評価は相違ない。
MCUを追ってきた人間でこれ嫌いな人はいないでしょうよ。

音楽が本当に完璧、賞賛を禁じ得ない。
これまでシリーズで使用した楽曲の使い方も上手いが、今回はやはりクライマックスで流れる"Dog Days Are Over"が美しすぎた。

そしてやはり全キャラが心から愛おしい。
いつもの彼らの過去をうまく描いた深掘りが本当に美事。一層の愛着が湧いた。冒頭のスターロードは主人公史上最低の情けない登場で笑った。

もちろん彼らも素晴らしいが、ヨンドゥの技を受け継いだクラグリン、holiday specialから参戦してたコスモ・ザ・スペース・ドッグ、待望のアダム・ウォーロックがとにかくの白眉。
ハワード・ザ・ダックが出てきたのも満足だし、ダニエラ・メルシオールも出演していたのはジェームズ・ガンに感謝しかない。

また、極度の傲慢であり、一切の同情の余地が無いほどに倫理観が欠落しているハイ・エボリューショナリーさんも完璧なヴィランと言わざるを得ないだろう。
彼の生体実験に巻き込まれた動物たちを救い出すシーンはさながら『ノアの方舟』で、種族を超えたガーディアンズというチームならでは結束力を顕わす要素として非常に良かった。

そういった結束を描きながらも、離別へと落とし込むプロセスが非常に巧みだった。イニシエーションってやつだ。
様々な関係性が欠落してきた彼らの結束は、強まるほど離れる勇気も与えた。だからこそロケットは復活したのだろう。
そしてスターロードがずっと誠実な立回りを見せていたことも非常に成長を感じられたし、それもまたロケット復活に確実に繋がっていた。

あと『アトミック・ブロンド』みたいな長回しのチームでのアクション・シーンが大変良かった。

言いたいことが纏まらないほどにトリロジーの完璧な締めくくりだった。
そして、holiday specialで作った要素も綺麗に展開されており、本当にジェームズ・ガンにしか作れない映画だった。怪獣も出てきたしね。
DCもジェームズ・ガンの力で結束させてくれ、頼む。