回想シーンでご飯3杯いける

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3の回想シーンでご飯3杯いけるのレビュー・感想・評価

3.0
1作目の義足いじりに不快感を覚えて、それからずっと距離を置いて鑑賞してきた「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」の完結編。

いわゆる底辺系の愛すべきキャラクターの友情を描いてきたシリーズなので、これまでのシリーズで散りばめられてきた伏線を回収していく今作は、見所満載になっていると思う。特に熱心なファンにとっては。

今回はチームのアイコン的存在であるロケットの過去に触れるシリアスな内容なので、コメディ要素は抑え気味なのだが、やはり根底に嫌なムードを感じ取ってしまう。

端的に言えば、容姿いじりとキツいジョークで相手を罵倒していく流れが延々と続く。本シリーズにおいて、それはあくまでジョークなのであって、そこから、でも実はコイツら憎めない奴なんだぜと完結させる流れである事は承知しているものの、3作続けてやられると流石に幼稚に思える。

しかも監督であるジェームズ・ガンの差別ジョークが批判された2018年の経緯もあるので余計に落胆してしまう。1作目のレビューで書いた通り「何が何でも面白いものを作りたい!」という気持ちが、この監督の場合、非常に嫌な形で表れてしまうのだと思う。楽しい飲み会にする為なら新人のルックスや服装をいじって笑いを取るべし的な、日本の企業/部活文化で僕が最も嫌いなパターンに似ている。

一方で、味方側の動物や子供(あるいは親子関係)は、突然の感動シーンとして用いられる。あまりのステレオタイプぶりに、僕はどんどん置いてけぼりを食らってしまう。

「スターウォーズ」の流れを汲む、多様性と、独特の映像世界が魅力のシリーズで、終盤は良い流れになっていたけど、他の監督が作れば、全く違う次元の名作になっていたようにも思えるので、何とも複雑な心境だ。