穂苅太郎

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3の穂苅太郎のレビュー・感想・評価

3.7
いやさすがに色々面白いよ。洒落っ気も利いてるし、笑えるし、胸熱になるし。でも何て言うか悲哀がにじみ出ちゃってるんだよな。なんか無理してない?って感じ。

推しキャラだったマンティスの顔のシワが特に悲しくてね。終盤に行くにつれ実はこのことがインフィニティサーガ以降のキャラ設定やストーリー展開に大きなミッションを課せられてたということに気づく。
俳優の老化によるキャラクターの限界を克服するためのMCU全般にわたる世代交代だ。これだよ悲しさの原因は。
ガーディアンズのメンバー変換も俳優の老化が影響しないキャラクターが残ったということでこのことが顕著だった。どうやらクリス・プラットのみ続投ということらしいが。

興収から人気キャラクターを残したいのはわかるが、むしろエンドゲームで一旦全部のキャラクターを清算して別キャラで1から構成していけばよかったに。この辺にプロダクションサイドのビジネス的思惑が蠢いてるのが見えすぎてしまって最近のマーベルものに距離を置いて冷めちゃってるような気もするな。

やれゴレンジャーだのナウシカだのスターウォーズだのマトリックスだのすでに色々オタク界隈百花繚乱になっていることと思う。パクリだオマージュだって言うよりも、ジェームス・ガンは半分その議論を小馬鹿にしながら、半分リスペクトを込めて面白がってあえて分かりやすく置いてる。引き続きマーベルと小うるさい世間に対して見えないところで中指を立てているような気もする。

そんなこんながモヤモヤとノイズフィルターになってしまい、心から楽しむことができなかった。はまり込みすぎたオタクの弊害である。
穂苅太郎

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