穂苅太郎

ソウル・バイブスの穂苅太郎のレビュー・感想・評価

ソウル・バイブス(2022年製作の映画)
3.4
ハリウッドのヒット作の要素を割とそのまま持ってきて結構上質なアレンジでプラスアルファしていく韓国映画だが、いよいよ「ワイルド・スピード」を持ってきたわけだ。でもあくまでプラスアルファの妙見が必要なわけで、今作には残念ながら劣化版としか感じなかった。

基本的にパーティーピーポーは消して好きになれないが、なぜかワイスピだけは許してしまう。多分キャラクターそれぞれの感情的な湿度の高さが回を重ねるごとに浸透してきてて感情移入した結果良きものとして捉えているのだと思う。考えてみりゃこの感情的な湿度の高さは韓国映画のお家芸であったはずで、皮肉なことに今作ではそれが薄くなっていて、パーティー感のヤダミだけが残ってしまった感じかな。

で、あらゆる韓国映画の地味だけどとても大事な要素で「飯」がある。感情表現や立場の高低、さらにはストーリーの結束点にすらしてしまうのが特徴なのだよ。大事なのはどれもとにかく美味そうということ。本作ではここが決定的に欠けている。なんかまずそうなんだよ。
穂苅太郎

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