ピッツア橋本

クリード 炎の宿敵のピッツア橋本のレビュー・感想・評価

クリード 炎の宿敵(2018年製作の映画)
4.3
“炎の代理戦争、次世代に続く遺恨清算マッチ”

スタローンの生涯最大のライバル、アポロの息子アドニスクリードがとうとうチャンピオンになる。その防衛線として相対するのは父アポロを試合で死に追いやったドラゴの息子ヴィクターであった!

映画ロッキーシリーズを本流に、二世代に渡るボクシング一家の因果が織り成す大河ドラマ的ボクシング映画。

前作に比べるとスポーツ特訓ドラマパードが少なめで家族や人間同士の絆にフォーカスが当たっている印象。

結婚出産やロッキーの加齢やアドニスの転身による生活感の不一致など、リング外の事がテーマとして重く深く掘り下げられていく。

今回のライバル、ヴィクターとドラゴの親子&師弟関係はどこか亀田兄弟を連想させるところが自分にはあって、ストイックとドメスティックの微妙な関係性は割と考えさせられる。

ボクシングパートは前作同様痛みの伝わる迫力満点な仕上がり。
ただどう考えてもアドニスとヴィクターを同じ階級で戦わせるのって無理ないっすか?
エキシビションマッチならともかく、タイトル戦でこの見た目の差って…流石にリアリティは欠けたかな。

それでも双方の鍛え抜かれた体は美しいし嘘がない。
アドレナリンの出る内容。
実際、劇場で自分の隣に座っていた初老もその一挙手一投足にため息やガッツポーズをしながら作中のリングを“観戦”していた。

改めてロッキーシリーズワールドの国を問わない感動やメッセージ性を体感できた。
あのファンファーレは永久に不滅。
ピッツア橋本

ピッツア橋本