ようすけ

歩けない僕らはのようすけのレビュー・感想・評価

歩けない僕らは(2018年製作の映画)
4.1
教員の友人がこんな話をしていた。教室に入ると、「あれっ、今日は機嫌が少し悪そうだぞ。」という子供達の声。前日は駐車場で車を擦れられ、彼女とも喧嘩したらしい。子供達の前ではまずはしっかりとニュートラルに入れて立つべきだと。(この日は思いっきりローだったらしい。)

精神労働特有の難しさはあるだろう。患者に踏み込むか、遣るべきことを誠実にこなしながら適切な距離をもつか。映画の主人公は、というと前者が多いな。とは言え現実には患者と一緒に苦しんでいたら体がもたない。

前に進んでいるのか、進んでいないのか、未来に繋がっているのかが分からないつらいリハビリ。そもそも元に戻れるのか。

お婆さんのエピソードはほっこりした。たまにこういうこともあるよね。

ままならない自分の人生と、まだまだ仕事を覚えたてというかままならない仕事。中々前が見えずしんどいだろう。

とは言え、物凄い伸び代しかないのも羨ましくもある。おじさんになっても、退職する日まで伸びるけどね。仕事を続ける覚悟があるかどうかがかなり大きいな。

しんどい時は「まだまだこれからだもん。まぁ、こんなもんだろ。」と、心の中で舌を出しつつ学べることは学ぶ。

理学療法士も大変だな。けれど、あぁ、報われたな、と思う瞬間は結構あるんじゃないか。そりゃあ仕事をする以上はそういうのが欲しいよね。

…………と、ヒロインを励ましたくなった。短いが濃い作品だった。
ようすけ

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