たけのこ

I am Sam アイ・アム・サムのたけのこのレビュー・感想・評価

I am Sam アイ・アム・サム(2001年製作の映画)
5.0

ハートウォーミングという表現がぴったりの作品でした。エンドテロップが始まった時は「え?終わり?」と思いましたが、本作は映画的な結末を求めるような作品ではないですね。仮に裁判に勝ったとしても、検事が指摘したような現実と向き合う人生は続いていくのだし、ルーシーにとって何が本当の幸せなのかは誰にも分からない。検事もけして悪者ではなく、彼なりに彼女の幸せを真剣に願っていたのだと思います。

ただ一つ言えるのは、たとえ周りの状況がそれを許さなくても、父と娘を結びつける絆が揺るぎないものであること。そしてサムの飾り気のない本物の愛が、彼の周りの人の心も溶かしていくこと。ドラマとしては起承のみでこれといった転結もありませんでしたが、一つ一つのシーンが丁寧かつ繊細で、現実の厳しさややるせなさを織り交ぜつつも、それらを描く視線には一貫として暖かいものが感じられました。

「イチローって野球上手だね」と言ってるみたいで今更感はありますが、ショーン・ペンの圧倒的な演技力には特筆すべきものあり。当時7歳のダコタ・ファニングの美少女ぶりと大人びた表情には何度もスゴイと唸らされました。レオンのナタリー・ポートマンが当時13歳か…。中年男性と美少女のバディものって名作が生まれやすいテーマなのだろうか?
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