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イングランド・イズ・マイン モリッシー, はじまりの物語のmumbleboyのレビュー・感想・評価

3.6
ガチ世代なのでこれはと思い観てみました。The Smiths、日本語表記としたはザ・スミスなのですが最後にsが来る分最後に小さく「ス」を加えて欲しいなと思ったのですがこれはそもそもそんな表記の方法がないんですね。日本語表記もより言語に近づけていくために進化してもいいのかなと思います。

こういうミュージシャンの生い立ちを題材にした作品って大体解散とか場合によっては死に向かってストーリーが進むものが多いので割とネガティブになりがちですが今作はモリッシーがジョニー・マーとザ・スミスを始める直前までの話なので途中は下がる部分もありますが最終的にはこれからが始まりというポジティブな終わりかたなので後味は悪くなかったです。今作は音楽いうよりはモリッシーとその廻りの人間関係を題材としていてその辺の話は聞いたことなかったのでとても興味深かったです。特にリンダー・スターリングという方のこと初めて知りましたけどすごく魅力的でモリッシーやザ・スミスとはまるで違うビジュアルのアートを作る人なのでモリッシーと友人ということが驚きなのですがその挑発的とでもいうべきな作風は考えてみればモリッシーの歌詞にも全然あるのである意味納得かなと思いました。ザ・スミスのドキュメンタリーとかにおけるモリッシーは割と堂々としている感じですがザ・スミス以前のスティーブン・モリッシーは実際どんな感じだったのでしょうか。ジャック・ロウデンが演じた今作のモリッシーはちょっと控えめで独りでぶつぶつと過激なことを言っている感じでしたが果たして現実はどうだったのか。多分それは我々が知る日は訪れないのかなと思います。今作もそうだったと思いますがこれからもモリッシー本人が公認する映画というのは作られることもないと思いますので今作はあくまで1つの解釈ということだと思います。モリッシー本人らしさを求めるとちょっと物足りないかも知れませんが彼の人間関係等をより詳しく知るにはいい作品かなと思います。あとはちょい役でジョディ・カマーが出演していますが彼女が演じてるクリスティーンという人物はモリッシーとリンダー・スターリングがこんな女いるよねって語り合ってた話のネタから作られた架空の人物らしいです。

あと気になる方に気をつけていただきたいのはザ・スミスの曲は1秒も流れないということです。自分もそこはそれほど期待してなかったですが見終えた直後に今作のタイトル「イングランド・イズ・マイン」という歌詞が歌われる「Still Ill」という曲を聴きました。やはり最高ですね。今作では語られないジョニー・マーの音楽的天才っぷりも観れる映画があったら素敵だなと思いますがおそらく作られることはないでしょうね〜。
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