継

そして、神はカインに語ったの継のレビュー・感想・評価

3.5
無実の罪で投獄されてから10年, 恩赦によって釈放されたゲイリー・ハミルトン(キンスキー)。
故郷へ向かう乗合馬車でディックという青年と出会った彼は, その青年が自分に罪を着せた悪党アコンバールの息子であることを知る。
ディックに「ゲイリー・ハミルトンが帰ってきた」と父親へ伝えるように告げるゲイリー。
銃と馬を手に入れる為に馬車を降りた彼は復讐に燃え, 一路アコンバールの住む街を目指す...。

'70年, イタリア+西ドイツ製作.
一応 “マカロニウェスタンの復讐劇” として撮られた作品なんだけど, 元来がイタリアン・ホラーを撮ってる監督と, 怪優·クラウス・キンスキーの圧倒的な存在感を持ってして, 怪奇ホラーさながらの様相を呈していく(^_^;), 異色の映画です。

マカロニでお馴染みな悪役じゃなく, 復讐を果たすべく悪党に立ち向かう正義の主人公キンスキー。
それなのに、
彼が近づくや街は砂嵐に襲われ, 不吉な兆しを告げるように鳥の群れは鳴き喚き, 鐘の音が不穏に鳴り響くww.
闇に紛れて不気味に現れる姿は颯爽としたヒーローというよりホラー映画の怪人のそれで, 復讐に燃える象徴と思われる真っ赤なシャツ(パケ写真↑)も血に飢えた殺人鬼のよう👹。
進撃するキンスキーに1人また1人と狩られていくアコンバール家の皆さんがだんだん不憫に見えてくるという😹
最初, 悪党側のキャラが弱過ぎるから釣り合わないのか?🤔って思ったんだけど違いましたね, キンスキーのキャラ立ちが異常なんです(笑)コレは。

昔の女やディックとの関係が絡んで展開に何かしらヒネリがあるのか?🤔と思いきや, 潔いくらいに何も無いド直球な復讐劇。
なので「ストーリーの面白味」みたいなものは一切無し。
ただ, キンスキーは事件現場に落ちてた水筒を証拠とされて捕まったんだけど, それが実は悪党側がマジックで表面に「G. H」って書いて置いといたっていうww, 小学生のイタズラみたいな偽装が違う意味で面白くて笑ってしまった😹

Wikipediaによるとアダムとイヴの息子であるカインは, 弟を殺した事から「人類最初の殺人者(from創世記)」とされてるそうな。
キンスキーは「たとえカインと同じ運命になってもオレは復讐を果たす!」と声高らかに言うんだけれど, タイトルにある神は「あ,あのもうその辺で止めてあげても…(^o^;」って語ったとしか思えませんデシタww.
継