kyoko

顔のkyokoのレビュー・感想・評価

(2018年製作の映画)
3.9
巨大キリスト像建設現場での事故により、顔が変わってしまった男の話。
この前は北欧だったけど(「Heavy Trip」)今度は東欧のヘビメタ野郎。同じ俳優かと思うぐらい主役が似ていた。まあヨーロッパイケメンがロン毛とヒゲとレザーで決めれば大体似るかも。

家族も近所の人も彼の変わってしまった顔に困惑しモンスター呼ばわり。婚約者も離れていってしまった。近所の悪ガキは男に向かって「mug!(顔)mug!」とからかう。「顔!顔!」って、日本語にするとなんともシュール(笑)
うーん、これがたとえば「エレファントマン」ぐらいなら分かるんだけど、別にそこまでじゃない。そりゃ全体的にむくんじゃってるし、滑舌も悪いけれど、全然大丈夫だよ!うまく手術したじゃん!と私なら思えるレベル。母親ならなおのことそうでしょ。懺悔とは言え「息子とは思えない」とか言う母親が吐き気がするほど嫌だった。
気丈な姉の存在だけが救い。彼女の控え目なヘドバンが最高にかわいかった。

冒頭のバーゲンも、ユダヤ人とかムスリムいじりも、しょうもない懺悔も、巨大キリスト像も、はえたたきも、墓石の前で喧嘩も、信仰と信仰心に比例しない人間性を揶揄し倒していて、これは結構な問題作ではないかと。
自分とは決して相容れない人々に対して大いに違和感を持ちながらもゲラゲラと笑える。こういうの嫌いじゃない。

「君はひとりじゃない」は観ていないのだけど、俄然興味が出てきた。
kyoko

kyoko