損得ではなく、愛する妻の健康と命を守りたいという純粋な思いのままに、ここまで出来る人がいるだろうか。涙、涙でした。
前半はインドの慣習の根深さにアゴが外れそうになりました。穢れ?!人間はみんな女性のお腹から生まれてくるし、生理はそのために必要なサイクルなのに!ふざけるんじゃない!と、正論を振りかざしたくもなりますが、それは私が日本に生まれ、日本に育ったからこそ言えるのでしょうね…
たとえ生理ナプキンも種類豊富で女性の体について教育の場で学ぶ機会がある日本であっても、やっぱり男の上司を前に生理休暇をとりたいとは声を大にして言えない雰囲気はありますから。穢れとまで言われているインドではなおのこと、このトピックが相当なタブーだったのは想像に難くないです。
似たような問題で最近ニュースで見たのは、灼熱のインドでは女性たちが敢えて水を飲まずに体調不良、さいあく死に至るケースが増えているということ。その理由も、決して水不足ではないのが驚きです。
トイレの設備が整っていないインドの村などでは外で用を足さなければいけない女性も多く、男性たちによる性犯罪の餌食となるケースが多いのだそう。そのため夜中や明け方に女性たちがお互い起こしあったりしてまとまってトイレに行かねばいけなかったりと、自衛のためあえて水を取らない女性も多いのだとか。この状況が少しでも改善されていることを切に願います。
今回の生理用ナプキンとはトピックが違えど根底にある男尊女卑の思想が、本来であれば大切にされるべき女性たちをひどく苦しめていることは間違いないでしょう。
パッドマン、本当のヒーローだと思います。村八分にあい、愛する妻のためなのにその妻も去り、安定していた仕事も失ってまで、発明を続けた彼は稀有で、崇高な人物だと思います。
二人の女性が彼を支えたわけですが、個人的にはパリー(途中からまじでローラに見えた)の愛の深さには胸を打たれるものがありました。相手を本当に思っているからこそ、最後は彼の背中をそっと押したあの強がり、本当にいい女とはこういう人だなあと思いました。