銃乱射事件の映画は何故か気になってしまいます。本作もそのひとつ、2011年7月22日にノルウェーのウトヤ島で発生した銃乱射テロ事件を描いた作品です。同事件を描いた映画はもう一作品あり、そちらのほうが情報量が多そうなので、まずはこちらから鑑賞しました。
72分続いたという銃撃の一部始終を描いており、その異常さとありえない長さに、そりゃあ気も狂うなと思いました…。警察の初動の遅さは後に批判の対象となったようですが、あまりに遅すぎるし、72分間命の危険に常に脅かされる状況…一生トラウマになってしまうでしょう。
鑑賞後にGoogleマップでウトヤ島を調べたのですが、想像以上に小さな島で、隠れ場所なんてほとんどないと思いました。逃げ場がない状況が怖すぎるし、観ているこちらも常に苦しかったです。
しかしながら、事件の凄惨さを伝えるために描いたのはわかりますが、ちょっと気になる部分もあります。例えば主人公のカヤちゃん、妹ちゃんに「完璧」と言われるくらい優等生で優しくはあるのですが…終盤の行動はさすがに"映画的"すぎるといいますか、そうはならんだろ、と突っ込んでしまいました。唐突すぎます。最後に「ドキュメンタリーではありません」という監督の言い訳？が載っているのも余計に腹立たしく感じますね…。
実際の事件を扱う以上、そしてリアリティにこだわったのならばなおさら、映画としての見どころというか"オチ"みたいなのを作る必要はなかったと思います。そこだけノイズに感じました。
