タコ社長

パラレルワールド・ラブストーリーのタコ社長のレビュー・感想・評価

3.6
今日は月曜日だ。週の始まり、労働の始まりである。

けれどもそんなことを言っていたら、いつまでたってもアフターファイブは埋まらない。

で、今日は念願の会社帰りレイトショーという都会人のステータスを決行することにした。

20時40分からの渋谷HUMAX。

なんてこった女子高生ばかりじゃないか。

お腹が空いたからって、ホットドックをもぐもぐしてたら、わらわらと女子高生が劇場に入ってくる。恥ずい。

幸い自分は根っからのアウトサイダーなので、劇場隅の席におり、女子高生ら若者たちは、真ん中に固まっていた。

さて、映画の話に入るけれど、

東野圭吾の作品って、ルックスが良ければサイコパスも絵になるよねってことを示すやつが多くないか。。

そういう人選だとこの映画は全くブレてない。
染谷目線で描かれるシーンが少ない分、染谷の怪しさが観客を引っ張りつつ、実はイケメンサイコパスがセクハラかストーカまがいのことをやってのける。吉岡里帆の天然に見えて計算だからね(さすが強い京女)感は秘密を隠すのにもってこいだ。

そして田口トモロヲがストーリーを引っ張り出すあたりから、いきなり日本SF小説感(時をかける少女感)が出てくる。なんかナレータ気質のいい声のおっさんが現れて、事件の概要を解説してくれるやつだ。しかしツッコミどころ満載で、声の良さからまるで人格者のように見える一方、サイコパスだから、話をどんどん複雑にしていく。
(なんで助手と染谷両方ともポアした機械で、主人公の記憶変えようって思うの?w)

もう話の余談に入るけど、主人公と吉岡がバスケをするのを染谷目線で、主人公が眺めるシーンがあって、ガラス越しに暗い顔をした染谷が映るんだけど、あれを見たときは、染谷の記憶を主人公に植え付けたかのかと思ったが、そういう話ではなかった。

さらに余談だが、記憶というのは自分の視点からの情報だけでできているようでいて、実は脳の中で再構築されているらしい。だから、自分自身の姿を外から見たような絵が頭に浮かぶことがある。つまり脳の中で自分以外の自分なる視点を作っているのだ。だからこの再構築のところで、他人の視点を植え付けられれば、別の記憶ができるんじゃないかと妄想したが、外れた。

そういえば、助手はどうなったの?スリープは解けたの?地味に罪深いよな。。

映画冒頭で電車が並走するシーンがあるが、東野圭吾は大阪出身である。僕はあのシーンは、近鉄鶴橋駅に向かう、近鉄大阪線と近鉄奈良線が並走する所から来てるんじゃないかと思った。

映画エンディングで宇多田ヒカルの曲がかかるんだが、この人の曲は最近暗い。ふと理研で自殺したおっさんを思い出してしまった。科学者とは突き詰めるとサイコパスなんだな。