フライ

ヘルボーイのフライのレビュー・感想・評価

ヘルボーイ(2019年製作の映画)
3.9
ギレルモ・デル・トロ監督のヘルボーイを期待して鑑賞した時、自分にはハマらず、理解が浅いのかと3回見てもダメで残念に思っていた事も有り、本作は期待せずに鑑賞。ところが予想以上にハマり、次作も是非観たいと思えるほどだったが…

暗黒時代と呼ばれる紀元517年、イギリスでは人間と魔物が戦っていたが、ミラ・ジョヴォヴィッチが演じる最強の魔女ニムエにより伝染病が広められ人類は絶滅の危機に。伝説のアーサー王は、降伏すると見せかけニムエをおびき出し、神の剣エクスカリバーで切り刻み、悪魔にも見つからない場所に封印させる。
第二次世界大戦末期、敗北寸前のナチス・ドイツは、流れを変える為にカルト的な儀式を行うも連合軍により阻止。その儀式の際に現れた悪魔の子ヘルボーイは、その場にいたブルーム教授に育てられ、BRPDと言う特殊な部隊に所属し、2019年の現代に至るまで真っ当に怪物退治に精を出す。ところがヘルボーイを恨む老いた醜い魔女が、封印された最強の魔女ニムエ復活の企みで、予想だにしない人類終焉の危機が。

ギレルモ・デル・トロ監督作品のヘルボーイとは違うストーリーは、前日譚的な内容だが、寧ろ知らない方が先入観を持たずに見れるので楽しめるのか?とも思えた。
クスッと笑えるシーンを随所に挟みながらR15指定を受けるグロや胸糞シーンの連続に、ヘルボーイの世界観の面白さとして楽しめたし、CGや特殊効果技術の素晴らしさに違和感無く最後まで楽しめた。

これ迄正義側の主演として起用されてきたミラ・ジョヴォヴィッチを、悪としての絶妙な配役は、彼女の歳を重ね醸し出される妖艶さや、艶めかし魅力がマッチしていて良かった。何よりロン・パールマンが演じたヘルボーイの唯一無二的な強烈なイメージを、本作で演じたデヴィッド・ハーバーが上書きしてしまう位の素晴らしさに、全く違和感を覚えず楽しめたのは驚いた。

本作はヘルボーイと言う異質な存在を、誰でも分かる様にしっかり順序立て展開するストーリーに面白さを感じたし、ギレルモ作品を観て感じた、ヘルボーイの魅力を引き出すキャラクターが出演していないのに、面白さを感じさせてくれたのは素晴らしかった。逆にそれを知っているからこそ次作を観たいとおもえたが…評判や興行収入観ると絶望感しかないだけに、少し悲しい気持ちにも。

これ迄色々と製作されたアメコミ作品らしくエンターテインメントとして色々な怪物に面白さを感じたし、ド派手な展開も良かった。かなりグロいシーンも世界観を表すものとして個人的には好きだったが、ギレルモ監督作品のインパクトの強さと、エンタメ的な内容なのに、子供無視のグロさ強目だったのが致命的だったのかなとも。

コミカルさはあるが、グロ耐性無いとかなりきついので、注意が必要!特に終盤は、グロ好きなら手を叩いてしまう位の圧巻の展開なので尚更注意!逆に胸糞、グロ好きならオススメ。
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