みかんぼうや

博士と狂人のみかんぼうやのレビュー・感想・評価

博士と狂人(2018年製作の映画)
3.7
英語辞書の中でも最も権威ある辞書と言われるオックスフォード英語大辞典を編纂したジェームズ・マレー博士とイギリスの精神病院からその編纂に協力したアメリカ人殺人犯のウィリアム・マイナーの関わり合いと辞書編纂の道のりを描いた作品。

奇を衒った展開や独創的な仕掛けがなくとも、純粋に映像や演出、役者陣の演技など、映画としてのクオリティそのものが高ければ、その魅力に引き込まれ高い満足度を得られるという、至極当たり前のことに改めて気づかされた作品でした。

同じく辞書編纂物の邦画「舟を編む」のような、辞書編纂の過程とその大変さそのものにフォーカスした作品というよりは、幻覚や自らの罪の意識に苦しむウィリアムと色々な壁に立ち向かいながら辞書編纂に取り組むマレー博士の人となりそのものを追ったような作品でした。

世界共通語である英語の定義を決定づけたオックスフォード英語大辞典の編纂にまさかこんな裏話があったということ自体が驚きで、英語教育に少しでも関わった人間として、その事実を知るだけでも本作を観た価値ありでした。

映画として分かりやすくまとまりも良いので、テーマ的には難解そうに聞こえますが、あまり小難しく考えずわりとシンプルに楽しめるエンタメヒューマンドラマだと思います。後半は若干駆け足のようにも感じましたが・・・

あと、個人的にTVドラマ「ゲーム・オブ・スローンズ(GOT)」でお気に入りだったキャラクターの一人、マージェリー姫の女優さんが本作でヒロインを演じていたのが、GOTファンしてはとても嬉しかったです(なんとなくGOTが終わった後のその後が気になっていましたので・・・の割に、途中までは「なんか見たことあるな~」くらいで気づかなかったのですが(汗))。
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