えいがうるふ

ライトハウスのえいがうるふのレビュー・感想・評価

ライトハウス(2019年製作の映画)
3.9
陰影と光の効果が素晴らしく効いたモノクロ映像と主演二人の演技はたいへん見応えがあり面白かった。
極限状態に幽閉された大の男二人がだんだんと狂気にはまっていく様子は鬼気迫るものがあり、限られた狭い空間での二人芝居ながら全く退屈はしなかった。
二人がいよいよおかしくなって手を取り合ってダンスするシーンがすごく好き。

ただし、その二人が二人ともどうみても精神状態がまともじゃない様子のままそれぞれの主観で話が進んでいくので、当然ながら観ている方もだんだんと話の根本を追う拠り所を失っていき、しまいには舵を失った小舟で荒れ狂う大海に投げ出されるような気分になってくる。オチに至っては笑えるほど意味不明。
ぶっちゃけワケワカランが嫌いじゃない。むしろかなり好物。
海洋系の神話あたりがモチーフになっていることは割と早い段階で察しがつくものの、パッと合点が行くほど知識がないもので仕方がない。予めそれらの知識を入れてから観るか、復習した上で再度鑑賞すれば、恐らくこの作品がごりごりと見せつける独特の世界観をもっと納得感をもって味わえることだろう。

WOWOWのW座の録画鑑賞。観終わった瞬間こりゃろくなレビュー書けないぞと思い、普段はスルーしているW座終演後のナビゲーターの二人のコメントコーナーまで観てみたが、解説をしてくれるかと思いきや当の二人も苦笑しながら意味不明だけど映像はすごいとか神話等の知識があればもっと楽しめたのかも・・等、ほぼ自分と変わらない感想を正直に吐露しあっていたのが笑えた。