NM

ライトハウスのNMのレビュー・感想・評価

ライトハウス(2019年製作の映画)
3.6
本当に昔の映画みたい。いつでも薄暗く、昼だろうと空も海も暗く見える。画面は部屋を暗くしないと全然見えないぐらい。ただストーリーの展開に合わせてコントラストは微妙に変化しているようだ。
画作りはとても美しい。もちろん怖いシーンはより雰囲気がある。そして灯台の光は圧巻。
作品はホラー、スリラー、サスペンス等にカテゴライズされているが、主に人間の心理について掘り下げられている。真正直なホラー映画とうわけではない。

海と灯台の明かりに取り憑かれた二人の物語。外界から遮断されてしまった心理と、気が合わず信用できない他人と二人きりで暮らすストレスとで徐々に精神のバランスを失っていく。いや或いは人ならざる何かの力によって。自分と、見えざる力との一体どちらの要因による結果なのだろうか、というのがテーマと思われた。

はじめはエドガー・アラン・ポーの小説に着想を得たものの、途中で実際に灯台守が失踪した事件のほうをヒントに。史実に大まかには基づいている。

登場人物二人だけで最後まで魅せる演技。
主人公がTENETの俳優だと最後まで気づかなかった。とても雰囲気のある人。


灯台守をしに絶海の孤島へやってきた若者。
4週間勤務の予定。前職は森で木を切っていたが嫌になったらしい。無口でどことなく斜に構えた態度。
島には灯台以外何もない。建物は非常に粗末。

ともに勤務にあたる白ひげの老上司は昔ながらの海の男らしく怒鳴るし不潔だし話はいい加減。
好きになれないが、ここでやっていくには従うしかない。未経験者だからと雑用一切を押し付けられた。

若者が勤務を始めると、謎の人形や浜に打ち上げられた人(?)などいくつもの不思議な現象が。事実なのか夢か幻か。
老上司はことあるごとに海の呪いについてしつこく語る。

徐々に精神のバランスを崩していく若者。
そして老人もまた。
4週間後の二人は……。
NM

NM