豊かな自然に包まれるシチリアの村で、ルナは同い年のジュゼッペに思いを寄せる。だがジュゼッペは突然姿を消し、消えた彼をルナは探し始めるのだった。
本作は人工的な、いわゆるCGのようなもの使った感をまるで感じさせない。それなのに自然豊かな村を舞台に、これ程ファンタジックなものを創造してしまうのだから凄い。
森に棲息する動物たちも、この文脈で見るとまるで精霊のようだ。
ルナとジュゼッペのシンプルな恋人関係を軸に、これだけ見ごたえのある物語を組み立てる、これぞ芸術家の、映画製作の技だろう。
プラトニックな思春期の子供達の悲しくも美しい結末、イタリア映画の凄みを感じられた。