6人の死刑囚と対話をしながら大杉漣演じる教誨師(牧師)が自分の過去を含め色々な感情の中で気づきを得る映画。
エンディング含め劇中で全く音楽が流れず、斬新な演出にとても独特の空気感を感じた。
大杉漣の遺作ということもあり、映画の内容とは別の意味でも「死」について深く考えさせられ涙腺が刺激された。
特に劇中の教誨師のセリフにあった、私の役目は自分が犯した罪を悔い改めさせ、死刑囚が罪と向き合うことではなく、
ただ傍に寄り添い、死刑囚の方達の中にあるぽっかり空いた穴を見つめることではないのか、と自問自答するシーンがとても印象的だった。
序盤では死刑囚に罪意識を持ってもらい、それに向き合ってもらおうとしていた教誨師が、自分の行為に意味を求めるのではなく、ただ死刑囚に寄り添い、彼らの中にある闇や穴を見つめるという考え方に変わっていく過程を見て、リアリティのある心情変化だなと思いとても考えさせられた。