Emiii

教誨師のEmiiiのレビュー・感想・評価

教誨師(2018年製作の映画)
4.0
教誨師とは、①教えさとすこと。②刑務所で受刑者に対して行う育成を目的とする教育活動。宗教教誨に限らないーー
引用;広辞苑

教誨師である主人公は6人の死刑囚と教誨活動を通じて出会う。
全く話そうとしない男、正義感から大量殺人を犯した若者、虚言癖がありマシンガントークな女、ヤクザの組長なのに死刑執行に恐る男、字が読めないホームレスの男、子どもを思いやる優しい心を持つ男。
その影響からか教誨師となった理由でもある出来事を反芻するようになった。
ーある日一人の死刑執行日が決定し主人公は立ち会うことに。最期の死刑囚の言葉とはーー。
生きる意味、罪を償う意味、誰が人間の尊厳を奪うのか、または人間の罪を決めるのか...


さして期待せずに観たがとんでもない映画だった。
9割形、教誨の面会室シーンである。そこには本作の真髄はないように思うが侮ってはいけない。なぜなら受刑者彼らのキャラクターなしでは作品を語らえないからだ。
とにかく子役も6人の受刑者役も全員、芝居が上手い。それだけでも観る価値がある。
特に高宮真司役の玉置(たまおき)玲央の演技力。舞台がメインの俳優らしい。もったいない。
教誨師の受刑者への愛情、反対に受刑者からのメッセージ、悲しいほどに感情移入してしまった。
大杉漣さんには本当に、素晴らしい作品を生み出してくれてありがとうと感謝したい。
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