Emiii

ウーマン・トーキング 私たちの選択のEmiiiのレビュー・感想・評価

3.8
下半身血だらけの女性が目を覚ます。
その村では長年、男が女性を強姦し続けていた。

一方で同じように襲われそうになった女性は男に刃物で襲い掛かり、男達は逮捕された。
しかし男たちは2日後に帰ってくる優しい刑で終わり、女性たちはその2日間で男と戦うか?、男を許すか?この村を去るか?の決断をすることに。

女性たちは集まって話し合うが、一向に結論に至らなかった。
男がいないと生きていけないという者、男と戦っても肉体的には絶対に負けるのだから許そうという者、村を出ていくって言ったってどこに行く?私たちは地図も持ず、今いる場所もわからないのに?という者―――。


もう一回、しばらくしたら観たくなるような作品だった。
「十二人の怒れる男」のように、登場人物の会話に一番の面白さがある。
特に転換期や大きな展開はないが、女性たちが冷静に淡々と自分たちの状況や都合、意見を交換する。
これは現代でもあり得ることで、文字は読めずともこの時代の人たちもそれぞれに精一杯生きていたんだろうなと。

また、議事録を取っているのが教師の男性っていう設定も良い。
「あなたならどう思う?」と、話がまとまらずじりじりしていた女性たちが意見を聞いてきたときに「私は議事録係として此処にいる」と返答したのもなお良い。

女性は強く生きよう、と元気をもらえる作品だと思う。
Emiii

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