YasujiOshiba

セラヴィ!のYasujiOshibaのレビュー・感想・評価

セラヴィ!(2017年製作の映画)
-
銀座ル・ステュディオ 。24-51。ユミさんと。

 カオスから始まりもうダメかと思った瞬間、思いがけない東方からのリズムとメロディーにすべてが救われる。コンメーディアの基本。基本がしっかりしているから楽しめる。愛だよな、やっぱり、愛。

 ル・ステュディオはいい映画をかけてくれます。夫婦で大満足。

追記:
 『Can't Take My Eyes Off Of You』が流れるのだけど、あの曲の You は恋人というよりは、父が娘のことを歌ったものなんだよね。クリント・イーストウッドの『ジャージャー・ボーイズ』(2014)で、そんなことに気づかせてもらえたんだ。

 この映画には関係ないようだけど、ぼくとしては関係あるような気がしている。ただ好きになるだけじゃだめ。本当に大切に思うようにならないといけない。そのためには、一見おバカや奴等ら、いろいろな困難に、なんとか、みんなで、うまく適応して、やりすごさなきゃならない。それを「On s'adapte.」とか言っていたっけ。それが秘訣。

 そうやって自分を捨てて、相手に合わせ、状況に合わせ、うまくやりぬいてゆくなかで、ふと大切な人の存在に気が付いてゆく。そういう気持ちって「愛」は「愛」なんだけれど、エロス的な愛ではなく、ひとつ次元の高い愛。

 だからあの『Can't Take My Eyes Off Of You』のなかで、"You're just too good to be true." という歌詞が出てくる時、その「You」というのは、ただ存在してくれるだけで信じられないくらい「good」(うれしい)のだという意味がぴったりくる。むかしこれを「夢のように」と訳してみたこともあったけど、現実にその夢のような存在を見つける瞬間って、たしかにある。

 だから原題は「Le Sens de la Fête」(祭の意味)というのだろうな。ぼくらがアホみたいな祭やるというのは、まあ、きっと、そういうことなのだと思う。
YasujiOshiba

YasujiOshiba